30代経営者修行中ブログ

顧客、従業員、家族から必要とされる事業、そして自分が納得できる事業を創ることを目標としています。

「信じる者」は裏切られる

 金融について調べていて分かることは、日本人の多くが、他の国の人たちと比べて、投資よりも銀行に貯蓄することを望む傾向が強いことだ。超低金利の銀行にお金を預けることで、日本人はかなり損をしているというのもよく聞く話である。こんなことは、おそらくだいぶ前から言われていたと思うが、にもかかわらず、相変わらず日本人が投資をしないのには理由がある。それは、投資は元本保証がないからというものだ。この意見はかなり根強くて、自分の親も同様にそれだけは絶対に必要という感じであった。
 ここで不思議に思うのは、元本保証という言葉に何か、「完璧」な保障を求めているのではないかということである。この世の最も常識なものとして僕が思うのは、「この世に完全な保障はない」ということである。貯金の話で言えば、仮に元本保証がなされていても、日本円の価値が下落すれば、預けたお金の価値が実質的に下がることもあるわけで、「完全」な保障ではないことは明らかである。もちろん、債権よりもリスクは低いと思うが、「完全」な保障でないことに変わりはない。
 貯金の一つの例から、言うわけではないが、どうも、完全な保障を求めるという傾向が最近強いように思えてならない。つい最近も、あるブログで、サバイバルという言葉に異常な反応しめされていたが、これもサバイバル=保証のなさということが原因だったように思う。
 けれども、残念ながら、この世に完全な保障はない。これは真実だ。明日起こることには、全くの保証がない。明日、東京で大地震が起きるかもしれないし、どこかの国で原発事故が起きるかもしれない。また、保障があったとしても、それは、完全なものではありえない。不戦条約を結ぼうとも、いつ裏切られるか分からないのが世の中である。いくら、法が制定されようと、それが実行されるという確実な保障はどこにもない。蓋然性が高くとも、確実ではない。
 だから、最も大事なことは、自分の実力を高めることだと思う。多くの情報が提供されるけども、それが真実だとは保障がない以上、どれが大事なのか自分で見極めることが大切だ。スマイルズが言っていたが、「最も確実な保障は、自分の実力を高めること」なのだと思う。そして、他人任せや、めんどくささから、何かに頼ったり、何かを「信じ」たりすることは危険だと思う。何も信じてはいけないというわけではないが、怠惰から何かを信じれば裏切られることを覚悟しなければならない。「裏切られた」と不平不満を言わないように、何が重要であるかを自分で考える力をつけることが大事だと思う。