日本の盟友
環太平洋国家の中で、日本が価値観を共有できる国はどこであろうか。おそらく、米国とオーストラリアとカナダはまず候補に上がると思う。次に候補に挙げるとするのなら、僕はチリが挙げれるのではないかと思う。
チリは、ラテンアメリカの細長い銅産国である。人口は、1600万人ほどの国だ。注目すべき点は、世界経済フォーラムの競争力ランキングにおいて、常に上位にある点であろう。
近年、ラテンアメリカ諸国では、新自由主義が格差を生んだという批判が強くあるが、チリはその例外である。チリは、右派であれ、左派であれ、新自由主義が前提となっている。
これは、ミルトン・フリードマン米シカゴ大学教授に仰いだ、いわゆるシカゴ・ボーイズという若手経済学者たちの下、1970年代から新自由主義がいち早く根付いたからである。
また、政治も安定している。役人の汚職も少なく、政党政治が成立している。チリは、経済の安定と政治の安定をもつ、成熟した自由主義国の一員として、今後認識されていくのではないだろうか。自由主義という価値観を共有できる、日本の盟友となるかもしれない。