ミリオンダラーベイビー
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2005/10/28
- メディア: DVD
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これは、前から見たいと思っていた映画でした。評論家の松本健一さんが高く評価していたからです。
この映画では、ラストに尊厳死の問題が絡むため、その点に注目して批判する人がいますが、それはストーリーの本質とは無縁な点だと思います。
この映画のテーマは、やはり、「アメリカの理想」、「アメリカの理想の精神」だと思います。クリントンイーストウッド監督も、この映画は、「アメリカンドリーム」の映画といっております。
日本では、アメリカを批判することがインテリだとか、知識人だと勘違いされている節があるともいますが、僕は、このアメリカの理想の精神が大好きです。それは、たとえ差別されても、貧しくても、自分を否定することなく、矜持を保とうと戦うという精神です。自分は決して卑しい血を引いていない、自分の出自にプライドを持って、自分のために戦うという精神です。そして、そこで立ち上がるから、誇りと自由が両立するのだと思います。
日本ではこの思想自体があまり、受け入れられないように思います。というのも、日本では、弱者は善、強者は悪というルサンチマンが非常に強いように思うからです。弱者を哀れ悲しむこと、強者に対する妬み恨みがこの国では、支持されるように思います。もちろん、弱者へのいたわりというのは、大切ですが、その慈悲を積極的に期待し、弱者の位置に安住し、強者をのろっているだけの人々は、醜いです。このような醜い人たちを擁護する意識が強い点が、僕が、日本の中で嫌いなところです。
アメリカの理想の精神はそのような醜い思想とまったく逆のものではないでしょうか。この映画をみると、アメリカの強さの秘密が少しわかった気がします。