30代経営者修行中ブログ

顧客、従業員、家族から必要とされる事業、そして自分が納得できる事業を創ることを目標としています。

正しき者は強くあれ 「そのとき時代が動いた」イタイイタイ病編

 「正しき者は強くあれ」。僕はこの言葉が好きです。昨日のNHKのその時歴史が動いたを見て、やはりそう思いました。
 昨日の「その時」はイタイイタイ病訴訟の原告側が勝訴をおさめるまでのストーリーでした。この判決は日本の公害訴訟上初めて、原告側が企業相手に勝利したという非常に画期的なものです。
 この話は、イタイイタイ病の患者が富山県神通川付近に集中していること、また、神通川上流に位置する三井金属神岡鉱業所から流出した廃水に含まれているカドミウムイタイイタイ病の原因であるという、地元の医師が発表した説が紙面に乗ったことから始まります。これを新聞で知った、農家の小松義久さんがこの問題をどうにかしなければならないと立ち上がったのです。彼は、何とか地元の人たちの協力を得て、裁判を起こす決意をします。
 そして、地元出身の新人弁護士である島林さんが、訴訟への協力を自ら申し出ます。そして、全国から、若手弁護士が集まり、無償で裁判に協力したのです。そして、最終的には大会社三井に一般の住民と、若手弁護士が勝訴するというのが大まかな話の筋です。
 僕が注目するのは、やはり、正義を実現するためには強くなければならないということです。これは、肉体の強さとか、権力といったものではありません。それも、時に重要なときがありますが、精神的な強さがやはり大事だと思います。
 農家の小松さんが訴訟の話を町の人たちに持ちかけたとき、決して快く思う人ばかりではありませんでした。というのも、もし神通川が汚染されていることがわかれば、農家の米は売れなくなるし、また嫁が来なくなる野ではないかという不安が、彼らにはあったからです。おそらく、小松さん本人にとっても、それは大きい問題だったと思います。
 しかし、そういった犠牲を払っても、将来の故郷のため、孫のために今自分がやらねばならないという考え、彼は、行動したのでした。公害をどうにかしなければいけないと思う人は多くいたでしょうが、行動を起こすことのできなかった人は、やはり「弱い」のだと僕は思います。正義を実現するには、小松さんのような自分の犠牲にできるだけの「強さ」が必要なのだと感じました。
 このように考えて、正しさを持っているものは同時に強くなければならないと思い、「正しき者は強くあれ」という言葉を大切にしています。また同時に、強きものほど、正しくなければならないとも思っています。ノブレスオブリュージュ(気高きものの義務)という言葉もその意味ですごく好きです。

イタイイタイ病の記憶

イタイイタイ病の記憶